とっても憂鬱な気分になる、ダークな映画おすすめランキング10選です。鬱映画としては少しマイナーな作品を洋画と邦画、そして韓国映画(一つだけですが)を織り交ぜて、どこで視聴できる?と気になる配信サービスも一緒に紹介します。
映画好きの方に絶対オススメの新VODアプリです↓↓
No.10 嘆きのピエタ
基本情報
2012年 韓国映画
数々の問題作を作り上げ、その強烈な描写や独自の世界観で評価の高いキム・ギドク監督作品です。
代表作:「悪い男」「春夏秋冬そして春」「弓」
キャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
イ・ジョンジン | ガンド |
チョ・ミンス | ミソン |
ウ・ギホン | フンチョル |
カン・ウンジン | フンチョルの妻 |
クォン・セイン | ギターの男 |
あらすじ
親の顔も知らない、借金取りの孤独な男イ・ガンドはその荒々しい行動で怪我をさせ、保険金から回収する凶暴な取り立てで恐れられていた。
そんなガンドの前に謎の女が現れ自分が母だと名乗りだし、付きまとうようになるが…。
おすすめポイント
本作は第69回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞である金獅子賞を受賞しています。
韓国の映画作品で初めて三大国際映画祭の最高賞を受賞した、記念碑的作品です。
主人公ガンドが序盤から激しさと荒々しさを見せながら借金を取り立てていき、怪我をさせてまで保険金などで払わせようとする不穏なシーンが続きます。
ガンドに異常なほど親密に絡むミンソなど、やや不気味にも感じる描写が本作の雰囲気を作り上げています。
本作のタイトルでありテーマにもなっているピエタとはイタリア語で「哀れみ」を意味しています。
キリスト教美術の主題になるテーマであり、磔の後に十字架から降ろされたイエス・キリストの亡骸を腕に抱く聖母マリアをモチーフとする聖母子像の事です。(広義だと絵画などもあるようです)
ミケランジェロ作、ローマのサンピエトロ大聖堂のピエタです。
主演のイ・ジョンジンとチョ・ミンスの二人の壮絶な演技が本作の魅力を高めています。
どこかおかしい男と謎の女、シュールで陰鬱な雰囲気が漂いながら転調してゆくサスペンスは衝撃の結末へと流れていきます。
キリスト教のモチーフが端々に感じられる本作は、説明やセリフが少なく、孤独と愛、悲しみや憎しみなど様々な感情や映像表現を視聴者に考えさせる重さのある作品になっています。
レビュー
とにかくラストシーンに尽きますので最後まで視聴してみてください。
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
No.9 岬の兄妹
基本情報
2018年 日本映画
高い評価を獲得している片山慎三監督作品です。
「パラサイト 半地下の家族」でも有名なポン・ジュノ作品の助監督を務めた経歴を持っています。
代表作:「さがす」「そこにいた男」
キャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
松浦祐也 | 道原良夫 |
和田光沙 | 道原真理子 |
北山雅康 | 溝口肇 |
あらすじ
たびたび失踪する自閉症の妹、真理子が夜になっても帰らず心配する兄の良夫。
その後、帰った妹が町の男から金銭を貰い、身を任せていた事を知り一時は叱りつける良夫だったが、仕事も解雇されたばかりで苦しい生活のため、罪の意識を感じながらも、妹に仕事をあっせんし始めるのだった。
おすすめポイント
貧困、犯罪、性など様々な題材をノンフィクション風のリアルな手触りに丁寧に仕上げた完成度の高い傑作です。
本作の見どころは、自閉症の妹役を素晴らしい表現力で見事に演じ切った和田光沙。
そして兄役の松浦祐也の生きる事の生々しさを表現した力強い演技。
二人が演じる兄弟のリアリティある演技が視聴者に様々な感情を訴えかけてきます。
閉鎖的な地方都市で知識がなく貧困にあえぐ、ふたりぼっちの兄妹愛と生命力がモラルを突き破っていく様が胸に突き刺さります。
果たして悲劇なのか喜劇なのかは視聴して確かめて見て下さい。
ロケ地の一部、城ヶ島の風景です。
レビュー
生きてきた境遇から、辛い状況に追い詰められた、どうしようもなさが漂います。
主演2人の演技が上手すぎて(特に和田光沙さん)リアルさとキツさが増しています。社会派作品としての一面も持ち合わせており見応えのある作品です。
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
No.8 ネオンデーモン
基本情報
2016年 フランス、デンマーク、アメリカ合作映画
独特な色彩やバイオレンス表現が特徴の鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン監督作品です。
代表作:「ドライブ」「プッシャー」「オンリーゴッド」
キャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
エル・ファニング | ジェシー |
ジェナ・マローン | ルビー |
アビー・リー | サラ |
ベラ・ヒースコート | ジジ |
カール・グルスマン | ディーン |
キアヌ・リーヴス | ハンク |
あらすじ
並外れた美貌を持っているジェシーはトップモデルを目指し、田舎町を出てロサンゼルスへとやって来た。
その圧倒的な魅力ですぐに事務所が決まり、皆の心を奪いトップモデルへの道を登ってゆくが、仕事を奪われ強烈な嫉妬心を持つライバルたちの恐ろしいまでの憎悪がジェシーに向けられ…。
おすすめポイント
エル・ファニング演じる主人公ジェシーが、田舎から出てきてトップモデルを目指す話ですが、多くのライバルや周囲の人物によって悪意と欲望に包まれていき、ストーリーは衝撃の展開をむかえていきます。
本作の特徴は美しくアート感漂う映像演出と、ダークでグロテスクな展開が絡み合う刺激的な作品です。
その抽象的な表現は美しさと共にどこか意図やメタファーがあるんじゃないかと考えさせてくれます。
映画の色彩、そのイメージ画像です。
主演は人気女優のエル・ファニングが勤め、田舎育ちのピュアな少女が野心を膨らませていく様を見事に演じています。
ライバルに実際にモデルとして活躍しているアビー・リーが共演、ベテラン女優ジェナ・マローンや大御所俳優キアヌ・リーヴスも登場し、豪華なキャストになっています。
レビュー
常にどこか陰鬱な雰囲気が漂う本作は、とにかく後半の展開に注目です。
序盤はサクセスストーリーのようにも見えますが、後半に差し掛かると一気にホラーな側面が出てきて目を背けたくなるようなシーンが連続します。
ややシュールな演出で話の全体像が掴みづらいですが、ダークな美しさを感じさせる鮮烈な色彩の映像と共に、何度も見たくなる中毒性を感じます。
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
No.7 ブリムストーン
基本情報
2016年 オランダ、フランス、ドイツ、スウェーデン、イギリス、ベルギー合作映画
オランダの映画監督のマルティン・コールホーヴェン監督の作品です。
代表作:「シュニッツェル パラダイス」「フォース・ダウン 敵地脱出」
キャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
ダコタ・ファニング | リズ |
ガイ・ピアース | 牧師 |
エミリア・ジョーンズ | ジョアナ |
カリス・ファン・ハウテン | アン |
キット・ハリントン | サミュエル |
あらすじ
小さな村で夫と二人の子供と睦まじく暮らすリズは、事情があり、言葉を話す事が出来なかったが助産師として村では活躍していた。
そんなある日、村に一人の牧師がやってきて、リズの人生が一変してしまうのだった。
おすすめポイント
衝撃の西部スリラーの本作は恐ろしい存在から追われ、逃れるために様々なトラブルに巻き込まれ、生き抜くたび陰惨な出来事が起こります。
目を背けたくなるような恐ろしい描写が次々と続き陰鬱な気分になります。
果たして主人公リズの運命はどうなってしまうのでしょうか。
四つの章からなる壮大な復讐の年代記です。
章ごとの年代、時系列が順番通りではなくバラバラになっていて、パズルのピースをはめていくかのようなストーリー展開が、考えながら見る面白さを生んでいます。
映画の舞台、その雰囲気のイメージ画像です。
天才子役から、天才女優になったダコタ・ファニングが恐怖と戦いながらも凄まじい生命力でたくましく生きようとする人妻を熱演しています。
そして名優ガイ・ピアースが恐ろしいまでの強靭さで本作の狂気性を最大限に高めています。
また、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でも大活躍のキット・ハリントンも重要な役どころで登場し、その魅力を発揮しています。
衝撃的で陰鬱な内容は視聴者も苦しくさせますが、それだけじゃないリズの生き抜く力強さや壮大なストーリー、重厚な映像が完成度の高い作品に仕上げています。
レビュー
ぱっと見たイメージより何倍も恐ろしさのある本作。よく見ると凄まじい陰惨さのあるシーンが結構あります。
執拗に追い詰められる恐怖と思い出す悪夢のような日々、西部劇ならではの残酷描写もあり重厚なストーリーと共に見応え抜群の作品になっています。
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
No.6 血と骨
基本情報
2004年 日本映画
崔 洋一監督作品です。
代表作「月はどっちに出ている」「十階のモスキート」「友よ、静かに瞑れ」
キャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
ビートたけし | 金俊平 |
鈴木京香 | 李英姫 |
オダギリジョー | 朴武 |
新井浩文 | 金正雄 |
田畑智子 | 金花子 |
中村優子 | 山梨清子 |
濱田マリ | 鳥谷定子 |
あらすじ
1923年、成功を夢見て、他の朝鮮人移民と共に祖国から大阪に渡ってきた少年。朝鮮人集落でその強靱な肉体と荒さでのし上り、周囲に恐れられるようになる。やがて、彼は結婚して2人の子どもをもうけるが、粗暴な振る舞いはエスカレートする一方で、家族でさえも彼に怯える日々を送っていた。
おすすめポイント
在日コリアン梁 石日原作の作品の映画化で、作者の実父をモデルに、怪物とも呼ばれるその荒々しい男の鮮烈な生き様を描いた作品です。
金俊平を演じる主演のビートたけしがその本領を存分に発揮した本作は、その狂気、獣の如きどう猛さを見せ、圧倒的な存在感を出し本作を形作っています。
荒々しい生き様を見せる1930年代の日本、大阪の朝鮮人集落の無秩序な雰囲気を、大掛かりなセットを使い生々しさを感じさせるほど素晴らしく再現されています。
映画の舞台となった地域の現在のコリアタウンです。
また脇を固める俳優陣に鈴木京香、オダギリ・ジョー、中村 優子、濱田マリをはじめ、
塩見三省、松重豊、國村隼、寺島進、北村一輝など多数の名優が出演、みな素晴らしい演技力でこの作品の世界観を作り上げています。
常人には理解できない、獣の様な生き様をした男の荒々しさ、愛、憎しみが強烈に表現された傑作です。
レビュー
当時の朝鮮人街の空気感を見事に再現したアジア映画の魅力がふんだんに詰め込まれている作品です。
ただただ傍若無人な金俊平の凶悪さと、剥き出しの野性で生き抜いていく様に衝撃を感じ、彼の行動の酷さによって陰鬱さを感じさせる作品です。
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
No.5 マジカル・ガール
基本情報
2014年 スペイン映画
斬新な切り口と表現で評価の高い新進気鋭のカルロス・ベルムト監督作品です。
代表作「シークレット・ヴォイス」「マンティコア」
キャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
ホセ・サクリスタン | ダミアン |
バルバラ・レニー | バルバラ |
ルシーア・ポリャン | アリシア |
ルイス・ベルメホ | ルイス |
イスラエル・エレハルデ | アルフレド |
あらすじ
白血病で余命僅かな娘アリシアと二人暮らしの父ルイスは、なにか望みを叶えてあげたいと思い、娘の願い事ノートをこっそり見る。
「魔法少女ユキコ」のドレスが欲しいという事を知ったルイスは高額なコスチュームを手に入れようと様々な金策を試みようとするが、うまくいかない。
そんな時起こった偶然の出会いがすべての運命を狂わせていく。
おすすめポイント
スペインの映画祭、第62回サン・セバスティアン国際映画祭では最優秀作品賞と最優秀監督賞をW受賞しています。
また、スペインの映画賞、ゴヤ賞にノミネート、第2回フェロス賞最優秀脚本賞も受賞しています。
マジカルガールなんて言うポップなアニメーションを感じさせるタイトルから可愛い女の子が戦ったりする映画を期待すると非常にダメージを受ける陰鬱な展開が待ち受けています。
その衝撃の内容は実際に視聴して確かめて見て下さい。
日本の大ファンである監督による日本の映画、アニメ、音楽、様々なオマージュが感じられる作品です。
悲劇の始まりともいえる架空の日本アニメ「魔法少女ユキコ」のコスチュームが本作の一つの象徴となり、願いと代償という「魔法少女まどかマギカ」のダークな部分を膨らませたようなコンセプトがモチーフになっています。
その「魔法少女ユキコ」のテーマソングも長山洋子のデビュー曲「春はSA-RA SA-RA」が使われています。
その他にも江戸川乱歩の「黒蜥蜴」を感じさせるシーンもあり、様々なオマージュが散りばめられています。
美しい映像と少なめのセリフで様々な人物達の思いが交錯してゆくストーリーは、謎が多く想像力を掻き立て、思いもよらない方向へ進んでいきます。
衝撃的で斬新な雰囲気を味わいたい、考察しながら楽しみたい方におすすめです。
レビュー
あまり見かけない雰囲気で見せてくれる、群像劇とも言えるサスペンス・スリラーです。
ビジュアル的にはそこまでキツくないですが、見ていられないような気持ちが重くなるような展開が多数あり、切なさやどうしようもない陰鬱さを感じさせます。2周めも楽しめる魅力のある作品です。
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
No.4 マーターズ(2007年)オリジナル版
基本情報
2008年 フランス、カナダ合作映画
フレンチホラーの鬼才パスカル・ロジェ監督の代表作です。ハリウッドリメイク版もあり、2015年に上映されています。
代表作「ゴーストランドの惨劇」「トールマン」
キャスト | 役名 |
---|---|
モルジャーナ・アラウィ | アンナ |
ミレーヌ・ジャンパノイ | リュシー |
カトリーヌ・ベジャン | マドモアゼル |
あらすじ
行方不明となっていた少女が保護される。
助けられた15年後、彼女は衝撃的な事件を起こす。
おすすめポイント
凶悪な描写が凄まじく、もはやアートともいえるほど強烈な映像表現は見る人を選ぶ作品になっています。
特に終盤の凄まじさはここでは語れないほどです。
アクション、バイオレンス、サスペンス、ホラー、次々と形を変えるストーリーは見る者の想像力を掻き立て、息つく暇がないほどの展開に目が離せません。
内容については知らないほうが圧倒的に楽しめるため、あまり多くは語りませんが、唯一無二の作品なので興味がある方はその驚愕のラストの衝撃に耐えられるか試して見て下さい。
レビュー
序盤から結構キツめのシーンもありますが、やはり後半~終盤までが描写的にもかなり陰鬱かつハードです。こんな作品は他に見たことがなくラストもすごく衝撃的でした。
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
No.3 偽りなき者
基本情報
2012年 デンマーク映画
デンマークの名匠トマス・ヴィンターベア監督の作品です。
代表作「セレブレーション」「光のほうへ」「アナザーラウンド」
キャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
マッツ・ミケルセン | ルーカス |
トマス・ボー・ラーセン | テオ |
アニカ・ヴィタコプ | クララ |
あらすじ
妻と離婚したが、息子とは悪くない関係を築けて、幼稚園教師として穏やかに暮らしていたルーカス。
親友テオの娘クララは優しいルーカスに好意を抱いていたが、プレゼントを受け取ってもらえず機嫌を悪くしたクララが、軽い気持ちで言ってしまった作り話によって、ルーカスは大変な事態に陥ってしまう。
おすすめポイント
閉鎖的な小さな町の教師が、少女のちょっとした作り話から変質者の烙印を押されてしまいます。
仲の良かった友人や、村人たちから、憎しみに満ちた目で罵られ、虐げられる陰惨な展開の、果たしてその先にある結末とは・・・
海外ドラマ「ハンニバル」など多数の作品で活躍、北欧の至宝とも言われる名優マッツ・ミケルセンが主演しています。
どうしようもないほどの苦悩や葛藤を見事なまでに表現し、カンヌ国際映画祭で男優賞を獲得しています。
無垢な証人によるやり場のなさと、群集心理の恐ろしさ、正義という名の悪意が襲い掛かる、ホラー映画を超える恐怖が感じられる怪作です。正義とは何か、信頼とは何か、人間の尊厳を問う恐るべき作品です。
映画の舞台となったデンマークの田園風景です。
レビュー
序盤に事件が起きてからは常に陰鬱な展開が待ち受けています。恐ろしいまでに救いを感じさせない本作はその衝撃的なラストも、様々な捉え方ができる見事な見せ方をしています。
閉鎖的なコミュニティでの恐怖、終わらない陰鬱さに興味がある方に凄くおすすめです。
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
No.2 ラブレス
基本情報
2017年 ロシア映画
ロシアの名匠アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の作品です。
代表作「父帰る」「ヴェラの祈り」「裁かれるのは善人のみ」
キャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
マリアナ・スピヴァク | ジェーニャ |
アレクセイ・ロズィン | ボリス |
マトヴェイ・ノヴィコフ | アレクセイ |
マリーナ・ヴァシリヴァ | マーシャ |
あらすじ
一流企業で働くボリスと美容院を経営するジェーニャの夫婦。
2人にはすでに別々のパートナーがおり、新たな生活のため早く縁を切りたいと考えていた。
どちらも息子を必要としておらず、激しい罵り合いで息子を押し付け合ってしまう。翌朝、学校に行ったはずの息子がそのまま行方不明になり・・・。
おすすめポイント
第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で審査員賞を受賞、その他にも様々な賞でノミネートや受賞をしている評価の高い作品です。
雪景色の中存在感を放つ枯れ木や、廃墟など様々な荒涼とした映像の数々が本作の世界感を表現し、強い印象を残しています。
本作の荒涼とした雰囲気のイメージ画像です。(ロシア)
恐ろしいまでに乾いたストーリー展開でラブレスというタイトルのとおりに愛のない世界が繰り広げられます。
離婚の為子供を押し付けあい罵りあう夫婦、そんな毎日に家出する子供、欲求を満たしあうだけの浮気相手、様々な人々の絆のなさ、愛のなさ、無関心が終末を感じさせます。
その冷たい雰囲気と荒廃した映像美、細部までこだわりを感じる空虚さが癖になり、陰鬱な展開ながらもリピートしてしまう完成度の高い作品に仕上がっています。
レビュー
常に憂鬱さが漂う何とも言えない雰囲気です。台詞が少なく見る人次第で印象が変わるようなシーンも多いので、何度も視聴できる魅力があります。
序盤から全員の無関心、愛のなさに注目して視聴すると、さらなる恐ろしさや陰鬱さが感じられる見事な作品です。
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
No.1 愛を読むひと
基本情報
2009年 アメリカ、ドイツ合作映画
様々な作品で高い評価を得ているスティーブン・ダルドリー監督作品です。
代表作「リトルダンサー」「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
キャスト
キャスト | 役名 |
---|---|
ケイト・ウィンスレット | ハンナ・シュミッツ |
レイフ・ファインズ | マイケル・バーグ |
デヴィッド・クロス | 青年時代のマイケル |
あらすじ
第二次世界大戦後のドイツ。15歳のマイケルは、体調の悪い自分を助けてくれた21歳も年上の女性ハンナと知り合い、愛を深める。
そうしてハンナの部屋に通ううちに彼女に頼まれ本を朗読するようになる。仲睦まじい日々が続くかと思われたがある日、ハンナはマイケルの前から姿を消してしまうのだった。
おすすめポイント
本作はベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説「朗読者」を映画化した作品で、アカデミー賞作品賞を含む5部門にノミネートされ、ケイト・ウィンスレットが主演女優賞を受賞しています。
ケイト・ウィンスレットは「タイタニック」の時とは打って変わった苦しさ、切なさ、そして力強さを感じさせる中年女性を見事に演じ本作の魅力を高めています。
デヴィッド・クロス演じる青年時代のマイケルと、ケイト・ウィンスレット演じる年上のハンナ・シュミッツの情感豊かな愛の時間がたびたび繰り広げられます。
その愛の表現が二人の関係にとても重要で、のちの展開のにつながっていきます。
ロマンティックなラブストーリーから一変して衝撃的な展開を迎えていきます。その重量級のストーリー展開に憂鬱度MAXになりますが、それだけではなく色々考えさせられる名作です。
あまり情報を入れず視聴するのがおすすめです。
レビュー
ケイト・ウィンスレットの素晴らしい演技が光る鬱映画です。時代の波に逆らえなかったどうしようもなさを感じさせる、やり場のない陰鬱さがある作品です。
序盤の愛のシーンと後半のギャップが、凄まじい切なさと憂鬱さを生み出しています。詳細は実際に視聴して確かめて下さい
- 鬱度
- 衝撃度
- 見ていられない度
- 怖さ
視聴できる動画配信サービス&レンタル
配信中の作品の、本ページの情報は2023年11月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
ちょっと珍しいミニシアター系配信サービスの紹介記事です。評価の高いマニアックで素晴らしい傑作が厳選されて配信されていますので、興味のある方はチェックしてみて下さい。