全話配信になった韓国ドラマ『照明店の客人たち』この記事では第7話第8話(最終話)のあらすじ、隠された伏線回収や謎が多いラストの考察を書いています。
もちろんネタバレを含む内容になっていますので視聴後がおすすめです。
本作品を何倍も楽しめるようになっていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
各話は複数いる登場人物ごとにあらすじを分けてあります。注目ポイントは太字マーカーになっています。
メイン登場人物一覧
登場人物 | 詳細 |
---|---|
チョン・ウォニョン(チュ・ジフン) | 照明店の店主。娘を助けるため店主を引き継いだ |
クォン・ヨンジ(パク・ボヨン) | ユジン大学病院ICUの看護師。看護師長に生きる希望をもらい看護師になった |
キム・ヒョンミン(オム・テグ) | 恋人だったジヨンをなぜか忘れていた。ジヨンが胴体を何度も縫い合わせている |
イ・ジヨン(キム・ソリョン) | ヒョンミンの恋人。ヒョンミンを現世へと送り返そうとするが… |
チョン・ユヒ(イ・ジョンウン) | ヒョンジュの母で幼い頃に生き別れたウォニョンの娘 |
チュ・ヒョンジュ(シン・ウンス) | 母想いの高校生の娘。母に照明店へと導かれる |
刑事ヤン・ソンシク(ペ・ソンウ) | サンフンを追いかけている途中で事故に遭い裏路地をさまよう |
ユン・ソネ(キム・ミンハ) | シナリオ作家。恋人のヘウォンに守られていた。 |
パク・ヘウォン(キム・ソンファ) | 亡くなってからも愛するソネを見守り送り出そうとするが… |
オ・スンウォン(パク・ヒョックォン) | 大事故になったバスの運転手。乗客に懺悔しながらなんとか送り返そうと奔走する |
ハ・ジウン(キム・ギヘ) | バスの乗客で事故に巻き込まれたバスケ好きの高校生 |
キム・サンフン(キム・デミョン) | ジャージャー麺店主。ウォニョンと同じ目をしている |
カン・ビョンジン(パク・ジョンピョ) | 山で遭難し、救助犬に助けられていたICUの患者 |
納棺師ファン・ソッキ(イ・ファンウィ) | 遺体の清めや処置を行う専門職。 |
「第7話 :死後の世界 」あらすじ伏線&解説
ウォニョン あらすじ
「変なのは俺かここか知りたいです」と言う刑事にウォニョンはサングラスを外し、猫のように細くなった瞳を見せながら過去を語り始める。
住宅地で大陥没事故が起き、瓦礫の下でウォニョンは娘を助けようと這いずっていた。
娘は瓦礫の下敷きになってしまい、身動きが取れなくなっていた。
必死で瓦礫をどかそうとするウォニョンだったが、どうにもならず助けを呼びに行こうとするが気がつくと裏路地に迷い込んでいた。
1軒だけ明かりのついている照明店を見つけ中に入ると、中には店主であるサングラスをかけた婦人が待ち受けていた。
娘の助けを乞うウォニョンに対し婦人は「手遅れです、自分の意志でこないと」と言い放つ。
ウォニョンは話を聞いてくれない婦人に我慢できずに暴れようとするが、婦人がサングラスを外し猫のような瞳を見せると、たちまち動けなくなってしまう。
自分がすでに息絶えていることに気がついたウォニョンは婦人に娘の電球を求め「娘のためだったら何でも出来ます」と頼み込む。
婦人は「今の言葉は本当?長くかかっても?」と問いかけウォニョンは「はい、構いません」と返事をする。
婦人は「取引しましょう」と告げるのだった。
ウォニョンが過去を語り終わると、自分も生きてはいないのか戸惑う刑事にウォニョンは「まだ生きてます」と言うが、ここは「死後の世界です」と説明する。
刑事はウォニョンと同じ目をした男を犯人だと思い、彼のスクーターの音を追いかけていたことを語る。
ウォニョンはその男が照明店へと導いていたことを説明し、照明店で光を見つけた刑事は現世へと引き戻される。
伏線&解説
今回はウォニョンの生前などの過去が語られました。
ここでウォニョンの娘が飴をウォニョンに食べさせて包み紙を独特な形に折りたたみます。第1話でヒョンジュが同じ行動をしますが、これが伏線となっています。
ウォニョンは助けを呼びに行く途中で生死の境をさまようことになり、照明店のある裏路地に迷い込んでしまいました。
そこにいた婦人が照明店の当時の店主で、電球はそれぞれの命の光とでも言うんでしょうか、そこでは自分の光を見つけ、自分の意志で触れることで現世へと戻れることがわかりました。
生きる意志=光に触れると言うことになるのでしょう。あちらの世界は死後の世界であることが明言されました。
そして娘の命を助けてもらう代わりに照明店の店主を引き継ぐことになったようですね。
重症患者たちは生きるか死ぬかの瀬戸際で、死後の世界に定着してしまうかどうかの分岐点にいるのでしょう。
ヨンジ あらすじ
凹んでいる部分は照明店のあるあちらの世界での出来事です。
ICUに新人のソン・ブヨンがやってきて、ヨンジが教育担当に任命される。
ヨンジはブヨンに事故の日に最初に搬送された患者であるカン・ビョンジンについて説明する。
山で道に迷ったビョンジンは雨に打たれて低体温症になり気絶してしまったが、救助犬のおかげで一命を取り留めていた。
暗い裏路地で犬を見つけたビョンジンは、その犬が自分の命を救って息絶えてしまった救助犬だったことを思い出し涙を流し謝罪する。すると犬はビョンジンをどこかに連れて行こうと走って行く。
次にヨンジはブヨンを連れてヒョンジュのベッドへ行く。
ヒョンジュは頭を打ったことで意識不明となっていたが外傷がなく、母ユヒが必死で守っていたおかげだったことやユヒは助からなかったことを説明する。
次にヨンジはソネのベッドへ。
ブヨンに、搬送されたときにくっついていたヘウォンが強い意志でソネを守っていたこと、ヘウォンは助からなかったことを説明する。
ソネとベッドで横たわるヘウォンは部屋が暗いからとソネに電球を買ってくるように頼む。
伏線&解説
ちょこちょこ登場していた凍えそうな息を吐いて犬を探していたビョンジンがバス事故と同じ日に山で遭難した人物だったことがわかりました。
救助犬のおかげで助かったので、あちらの世界ではうるさいと言いながらも犬を一生懸命探していたようですね。
残念なことに犬があちらの世界にいたのはすでに旅立っていたからでした。
犬、ユヒ、ヘウォンの亡くなっている者たちは、生死をさまよう人物たちを救うため照明店へと向かわせようとしています。
土砂崩れで意識不明だった人物(第1話で霊安室を探していた)も登場しますが割愛しています。
スンウォン あらすじ
スンウォンは裏路地で色づいて見えた転がるバスケットボールを追いかける。
その先には足が曲がって座り込むジウンの姿があった。
スンウォンはジウンを助けようとおぶって照明店へと連れて行き、自分の光を見つけるよう説明して送り出す。
伏線&解説
バスの運転手で事故を起こした責任を感じているスンウォンは照明店のある世界で、乗客だった者たちを助けようと奔走しています。
「第8話 : 光」(最終話)あらすじ伏線&解説
ヨンジ あらすじ
5年前、大事故に遭いICUでひと月も眠っていたヨンジは「自分のいる場所や時間がわからなくなります」と看護師(現在の看護師長)に語る。
看護師はメッセージを書いた音楽プレーヤーをあげてヨンジを元気づけ、ヨンジは「看護師さんみたいになる」と告げる。
現在のICUでは生き埋めになっていた男性が意識を取り戻す。
伏線&解説
あらすじでは省略していますが、5年前の事故でヨンジもあちらの世界をさまよい、照明店で光を見つけて戻ってきたことがわかりました。
第7話でウォニョンが「ここの記憶が残ったまま戻ると2つの世界が混じり合ってしまう」と刑事に説明していましたが、度々霊のようなものが見えるヨンジはせん妄とも呼ばれるその状態になっています。
生き埋めになっていた男性は第1話に出てきた霊安室を探していた(生霊)男性です。
ヒョンミン&ジヨン あらすじ
事故のあった橋の上でヒョンミンを縫い合わせるジヨン。ヒョンミンが目覚めるとジヨンの姿はなく「ここはどこだ?」と戸惑う。
納棺師はジヨンを保存している冷暗所が開かず、葬儀日程は決まっていたがもう少し待つことにした。
ジヨンは強引にバスを止めて乗り込み、ヒョンミンに声を掛ける。
ジヨンは自分を思い出そうとしないヒョンミンに「いつまでこうしているの?」と苛立ち、本当に自分を愛していたのか疑わしくなってきた気持ちをぶつける。
ジヨンが「お願いだから思い出して」と服を脱がせると、ヒョンミンは自分のお腹の縫い目を見てショックを受け記憶を取り戻す。
ヒョンミンはジヨンに「ごめんな、分からなくて」と泣きながら謝ると、ジヨンはヒョンミンに照明店へ行き、自分の意志のように光る電球を探すように頼む。
納棺師はもう待てなくなり、強引に冷暗所を開けることにした。
照明店で光を探すヒョンミンの不自然な動きにウォニョンは彼が自分の意志ではないことに気がつくが、ジヨンが照明店へと戻ろうとすると光とともにヒョンミンの姿は消えていた。
伏線&解説
バスの中でヒョンミンのお腹にジヨンが大きく縫い合わせた跡がありました。バス事故で同様の大怪我をしているのかもしれません。
ジヨンのヒョンミンへ対する愛情の深さなのでしょうか、間に合いませんでしたがジヨンは照明店から現世へと戻ろうとしていた彼を止めに行こうとしていました。
終盤にも出てきますがここから狂気が加速してしまったのかもしれません。
スンウォンとその他の人物たち あらすじ
スンウォンはジウンに聞いた女性のいる家へと向かうとヘウォンが窓から顔を出す。
ヘウォンに謝罪するスンウォン。ヘウォンは謝罪を受け入れ、スンウォンを慰める。
「生きてる人を照明店へと連れて行きます」というスンウォンに、ヘウォンはヒョンジュが住んでいるソマンマンションへ行くように指示する。
スンウォンはマンションへ行く途中、ユヒと出会う。再び謝罪するスンウォンだったが、ユヒはどこかを指差すだけで去っていく。
マンションへやってきたスンウォンはヒョンジュに声をかけ、口の聞けないユヒの代わりに現世へと送り返そうとしていることを説明する。
部屋に戻ったヒョンジュはユヒに「母さんと一緒にいたいの」と気持ちを伝えるが、ユヒはもらってきた電球を嫌がるヒョンジュに渡す。
伏線&解説
スンウォンの説明で、なぜかずっと無視されていると思っていたヒョンジュは同級生や先生など他の人達からは見えていなかったことがわかります。
生霊のようなものでしょうか。生死をさまよいながら現実とあちらの世界の境にいたようですね。母と別れたくなくて一人では現世へと戻りたくなかったんですね。
ユヒ&ウォニョン あらすじ
照明店へとやってきたユヒ。
口に綿が詰まって声が出せないユヒは、なんとかウォニョンに娘を助けたい気持ちを伝えようとするが、ウォニョンは「本人がこないと」と突き放す。
必死で懇願し、暴れだしたユヒを止めるためサングラスを外したウォニョン。するとユヒは何かに気が付き訴えかける。
ユヒに飴を食べさせられたウォニョンは彼女が自分の娘ユヒだったことに気がつき抱きしめる。
伏線&解説
ユヒの口に何か白いものが入ってて喋れなくなっていますが、納棺の際に口に詰められた綿でした。
第4話に詰められているシーンがあったことに後から気が付きました。
ユヒがウォニョンの娘だったことが明かされました。ヒョンジュは孫だったんですね。
ウォニョンが時折老人に見えていたのはユヒの父である実際の年齢が表現されていたのでしょうね。
ソネ&ヘウォン あらすじ
ソネはヘウォンと別れを告げ、泣きながら照明店へ入り自分の光を見つけるが「一緒に暮らせる所がいい」と電球を壊して「ヘウォンさん、ただいま」と家へと戻ってしまう。
ICUではソネが目覚めるかと思われたが、そのまま息を引き取るのだった。
伏線&解説
ソネは自分が生きづらい現世より、あちらの世界でヘウォンと幸せに暮らすことを選択しました。
その後… あらすじ
くぼんだ部分はあちらの世界です。
3ヶ月後、ユジン大学病院では退院することになったジウンの姿があった。
ヨンジは元気に回復したジウンにプレゼントを渡す。
ウォニョンの照明店へは「事故が起きたから住人が増える」と新たな電球が運ばれてくる。
スンウォンは再びバスの運転手をしていた。ソネは新しい脚本を書き始め、ヘウォンと幸せな日々を送っている。
ヒョンジュは父に見送られて久しぶりに学校へ行き、皆の温かい声に戸惑いながら授業を抜け出し校庭へと向かう。
母を忘れないためにせん妄治療を受けなかったヒョンジュはあちらの世界の記憶が残っていた。
照明店のウォニョンはユヒと救助犬(マックス)と一緒に幸せな時を過ごしていた。
伏線&解説
あちらの世界の記憶を消さなかったヒョンジュもまた、ヨンジのように2つの世界が見えてしまう状態になっています。
皆の幸せな姿にストーリーが一旦終わったかのように見えますがまだ続いていきます。
「最終話: 未解決」あらすじ
ヒョンジュは校庭でパク・ソヌという生徒を見かける。
半袖の彼女に「寒くない?」と声をかけるヒョンジュ。ソヌは嬉しそうにお礼を言い「何回かあったけど覚えてない?」と尋ねる。
校庭やトイレなどで見かけていたはずだったがヒョンジュは覚えていなかった。
今までも何度か声をかけられて嬉しかったソヌは「友達になってよ、私にも秘密が」と告げる。
ジャージャー麺店のサンフンに会いに来た刑事。サンフンは再会を喜び笑顔で迎える。
刑事はヤン・ソンシクだと名乗り、サンフンが事故に遭った時や照明店でも導いて自分を救ってくれていたことがわかり感謝を告げる。
サンフンは、いてはダメな人をあの世へと送る自分の仕事をソンシクへと引き継ぐことになった。
ICUではたらくヨンジに、以前無視された霊が逆恨みで襲いかかる。そこにソンシクがやってきてサングラスを取り、猫のような瞳で撃退するのだった。
せん妄の症状で通院するヒョンミンは「恋人が死んだらしいけど覚えてません」とジヨンのことを全て忘れてしまっていた。
心も体もおかしくなってボロボロのヒョンミンは精神科医に余計なものを捨てるように言われ、事故に遭った橋で思い出の残る携帯を投げ捨てる。
3ヶ月前、納棺師と語り合うジヨンは「なぜ彼は私を忘れたんでしょうか?他の人はお互いを覚えてました」と尋ねる。
未練をなくすよう諭す納棺師だったが、ヒョンミンへの想いが捨てきれなかったジヨンは…
伏線&解説
ヒョンジュの前に現れていた生徒のパク・ソヌは刑事が追っていた未解決失踪事件の被害者だったことがエンドロール後にわかります。
第3話で刑事の机に写真がピン留めされていましたが、最終話でその写真が終結の引き出しにファイルと共に入れられますので解決したんでしょう。
ソヌの秘密が何なのかはわかりませんでしたが、失踪のことだったのかもしれません。ソヌに聞いたヒョンジュからそれを聞いたソンシクが事件を解決した、まであるかもしれませんね。
キム・サンフンはいてはダメな人をあの世へと送る仕事をしている人物でした。第3話では自覚のない放火事件の被害女性をあの世へと送ろうとしていて刑事に犯人だと誤解されていました。
同様に3話の独居老人の事件は最後の晩餐でジャージャー麺を出して、最後を看取っていたこともわかりました。
なぜか見逃し配信になっていたTVのリモコンはサンフンがいじっただけでした。
ヒョンミンは車椅子に乗っています。怪我がどの程度だったのか、お腹ではなかったのかわかりませんが、完全に回復はできなかったようですね。
なぜヒョンミンは心も体もボロボロなのか、それはヒョンミンへの未練が捨てきれずに取り憑いたジヨンの呪いだったのかもしれません。
このシーンを見ると本作はやっぱりホラーだな、と思ってしまいますね。
この後スタッフロールになりますが、まだおまけがありますのでぜひ続きをしっかりと確認してくださいね。
おまけ
スタッフロール後の話は同じ作者のムービング(超能力バトルものです)に関係しています。
あちらのネタバレになってしまうので多くは説明しませんが、チョンウォン高校はムービングに登場する高校で、終盤に崩壊事故のような状況になってしまいます。
そして警察の上層部がもみ消そうとしている様子や、メイン登場人物であるコ・ユンジョンさん演じる女子高生チャン・ヒスが参考人として呼び出されています。
その後刑事ソンシクが声をかける不審者がパク・ジョンミンさん演じるキム・ヨンタクという人物です。
この方はムービングには出演していませんので、もしかすると続編で活躍する人物なのでしょうか。時間を止める能力がありそうですね。
ムービングのシーズン2は制作が決まっていますので、ちょっとした予告なのかもしれませんね。
『照明店の客人たち』は最後まで丁寧に作り込まれていて個人的にはムービングより好みでした(かなり別物ですが)
ゆったり目なのでややテンポの遅さはありましたが、それを上回るほどの伏線の多さ予想外の展開で最後までとっても楽しめる傑作で、いずれは名作と呼ばれるんじゃないかと思います。
最後まで長いあらすじ、解説を読んでいただきありがとうございました。
興味があれば他の記事も読んでいただけると幸いです。