韓国ドラマ『殺人者のパラドックス』キャスト登場人物・あらすじと感想＆評価

除隊して復学し、バイトをしながら冴えない毎日を送っていたイ・ヨン。コンビニに出勤したヨンは、図々しい客のグァンフンに困っていた。

外で待っていたグァンフンの友人ミョンジンが代わりに謝り支払いを済ませる。

仕事が終わったタンは帰り道でかすかなうめき声をあげて倒れているグァンフンの姿を見つける。酔っ払っていると思ったタンは声をかけてその場を立ち去る。

歩いているとミョンジンの姿を見かけたタンは「友達がそこで寝ちゃってます」と心配してしつこく声をかけるとミョンジンは豹変して殴りかかってくる。

ミョンジンに殴られて学生時代に暴行を受けていたことを思い出したタンは、勇気を出して反撃することを決意する。

タンはカバンの中にあったハンマーでミョンジンを殴りつけ、ミョンジンは息絶える。そこに盲導犬を連れた女性が通りかかる。

息をひそめていたタンは、彼女が通り過ぎると凶器のハンマーを置いたまま慌てて家に帰る。

自首を考えていたタンだったが、今までの人生でも様々なトラブルから偶然助かってきたことを思い出す。

翌朝遺体が見つかり、刑事のチャン・ナンガムが捜査を始め、遺体のそばにあったコンビニの袋に注目する。

チャン刑事はバイトしていたタンに会い、取り調べで追い詰めようとするが、部下のヨンジェがやってきてミョンジンとグァンフンが互いに殺し合った証拠を見つけたことを告げる。

実家に寄ったタンは母と教会に行き「持ってなさい」と母に宝くじを渡される。

警察署では刑事たちが集まり、キム・ミョンジンと偽名を使っていた連続殺人犯のヨ・ブイルを死ぬ前に捕まえられなかったことを残念がっていた。

タンがコンビニでバイトをしていると盲導犬を連れていた女性ヨオクがやってくる。

タバコを購入したヨオクは見えているようにタバコを受け取り「あと200万ウォンもください」とタンを脅迫する。

戸惑うタンにヨオクは「実はちょっと見えるんです」と言って笑いながら人を殺した感想を尋ねて「明日までに用意して」と去っていく。

タンは友人やバイト先の前借りなど様々な方法で必死に金を集める。

ヨオクからの連絡で彼女の自宅に来たタン。タンは証拠のハンマーを受け取るため200万ウォンをヨオクに渡すが「毎月ですからね」と言われてしまう。

タンは強引にハンマーを奪い取り帰ろうとすると、殺人がバレたら家族が不幸になると脅される。

更にヨオクに金を払うように追い詰められたタンは、気がつくとハンマーを振りかぶりヨオクに止めを刺すのだった。

ヨオクは亡くなり、パク刑事を刺したジェジュンと友人も殺された。パク刑事は助かって、警察署の仲間たちがお祝いをする。ヨオクの盲導犬は行方不明になっていた。

ナンガムはヨンジェに前の署で担当していた事件でジェジュンが後輩の女性に乱暴して自殺に追い込んでいたことを語る。

ナンガムはヨオクの事件の捜査のためコンビニ店長にタンの話を聞こうとするが「前借りを許した途端にこなくなったんです」と店長は苛立ちを見せる。

タンの携帯に「助けが必要なら連絡を”OnlyForHEROES”」と謎のメッセージが届き、トラブル続きで困っていたタンはシークレットチャットに接続するが素早い返事に驚いてすぐに切断してしまう。

ヨンジェはジェジュンの被害者だったヨンソの父サンムクに話を聞くと、彼はジェジュンたちを殺したことを自白する。

サンムクは取り調べを受けるが、ナンガムはすぐにウソをついていることに気がつき「殺していないでしょ」と問い詰める。

帰宅の許可が出たサンムクは事件当日を思い出していた。

”OnlyForHEROES”から「練習通りにやるのです」と連絡があり、復讐しようとしていたサンムクはジェジュンたちを殺そうとナイフを持って近づくが怖気づいていると、そこにやってきたタンが2人に絡まれて殺してしまう。

警察署の前を歩いていたサンムクは突っ込んできた車にひかれる。犯人はジェジュンの母だった。

お金の一部を銀行に入れたタンが外に出るとひったくりに遭ってしまう。肩を怪我したタンは救急車で運ばれて病院にやってくる。

サンムクも同じ病院で入院していた。ナンガムは誰かをかばっているサンムクを説得しようとするが何も語らなかった。

車椅子に乗って病室を出たサンムクは、タンの姿を見かけて慌てて追いかけるのだった。

”OnlyForHEROES”のジャンバーを着た人物が検事を殺す。

タンの前借り金を家族が返し、コンビニ店長は告訴を取り下げる。警察では特別捜査チームが作られるが時間だけが過ぎていき4ヶ月の時が経った。

チームに入らなかったナンガムとヨンジェは進まない捜査に愚痴を言っていた。ナンガムは犯罪プロファイラーのノ・ビンの元にやってくる。

連続殺人じゃないと意見をいうビン。ナンガムは「検察庁のサーバーに侵入しただろ」とビンを脅し、警察署に連れて行く。

ナンガムたちは怪しい動きを見せるビンの取り調べをするが何もわからなかった。

コンビニでラーメンを食べていたナンガムは、ヨオクの盲導犬が通り過ぎるのを見かける。

配達員のフリをしたタンはビンの部屋のインターホンを押す。出てきたビンは「勘のいい刑事がいる、ヤツに怪しまれたら逃げられない」とタンに警告する。

張り込みをしているナンガムはヨンジェに「昔追っていた殺人犯にヤツが裏で協力していた」とビンのことを説明する。

配達員が怪しいことに気がついたナンガムは、ヨンジェたちに配達のバイクを追いかけさせビンの部屋へと向かう。

ナンガムは「やっぱりお前の仕業だったか、殺人の共犯？」とビンを殴りながら問い詰めていた。その時ナンガムに上司から連絡が入り、ビンを殴る姿がネットに流されていることを知る。

隠し撮りに気がついたナンガムは暴れだすが、警察官が入ってきて取り押さえられる。

4ヶ月前

人生をやり直したいと今までのことを後悔しながら放浪生活を始めたタンは”OnlyForHEROES”を捜していた。

毎日を電車で過ごしていたタンはある日の最終電車で「イ・タンさんに協力します」と告げるビンと出会う。

「僕と手を組めばこの世を変えられます」と言うビンの部屋に入ったタンは、今まで自分の関わった事件の資料があって驚く。

ビンは「被害者全員が人間のクズで、証拠が勝手に消えてしまった」とタンに特別な能力があり「続けろという神の意志です」とそんなタンを捜していたことを説明する。

ビンは一緒に暮らし始めたタンを「世直し、一緒にやりましょう」と毎日説得するのだった。

悪人を発見するレーダーを持つタンと緻密な作戦を立てるビンは協力して法の網をくぐった犯罪者たちを次々と殺していく。

タンはイ・ギョンスの偽名でスーパーで働き、同じスーパーで働くギョンアと知り合いになる。

ギョンアは元彼に付き合っていた時の動画をばらまかれて噂が広まったために改名をした過去を持っていた。

停職中のナンガムを引退したチュンジンが訪ねると、ヨオクの盲導犬がいることに驚く。ナンガムはどうしていいか迷って一時的に預かっていることを説明する。

そこにヨンジェもやってきてナンガムはタンとビンの捜査を一緒に再開することになった。

レストランで食事をしていたギョンアはジロジロ見てくる男が過去の動画を知っていると思い怒りをぶつけるが、彼は何も知らない様子の同級生ハ・サンミンだった。

ギョンアとサンミンは思い出話をして仲を深める。

翌日ギョンアの元にサンミンから助けて欲しいと連絡が入る。サンミンは元彼女に動画をばらまかれると不安をギョンアに相談する。

自分の過去と似た状況のサンミンに同情したギョンアは彼と一緒に寝てしまう。翌日、サンミンは何食わぬ顔で婚約者と仲良く過ごしていた。

タンはギョンアと仲の良いサンミンに他に女がいることに気がつく。

深い仲になったギョンアとサンミンはベッドで寝ていた。ギョンアが起き上がりサンミンの携帯を確認すると婚約者とサンミンの「私たち結婚します」という動画を見てしまう。

サンミンはギョンアの過去の動画を見て遊ぶためにギョンアに近づいていたのだった。

騙されたことがわかり「みんなバラしてやる」と激怒するギョンアの首を絞めて殺してしまうサンミン。

後始末に困ったサンミンは部屋に火を着けてしまう。タンはスーパーでギョンアが変死体で見つかったことを知る。

タンの前に丸刈りの男が現れ、なぜか追いかけられる。慌ててスーパーから逃げ出そうとするタンだったが外にはナンガムが来ていた。

裏口に向かったタンは「下手くそな仕事しやがって」と丸刈りの男に蹴り倒され絡まれる。そこにナンガムがやってきて、タンは隙を見て外に逃げ出すのだった。

容疑者のサンミンの部屋を調べようとしたヨンジェは突然の爆発に巻き込まれ入院していた。

ナンガムから連絡が入り、ヨンジェは「爆発もハ・サンミン殺害もヤツの仕業です」とナンガムが追っていた元刑事ソン・チョンの姿をサンミンの部屋のそばで見かけたことを知らせる。

ビンが部屋に戻ると坊主頭の男ソン・チョンが待ち受けていた。

昔ビンと組んでいたソンは「俺をヒーローと呼んでいたよな」と懐かしそうに語るが、ビンは「おじさんは違います」と否定する。

ソンは「新しいヒーローに会わせろ」と頼み、後で連絡するように告げて去っていく。

ソン・チョンを発見して捕まえようとしたヨンジェだったが、アパートの3階から突き落とされてしまう。

ビンは警察に向かいナンガムにソンの資料を渡し、ヨンジェを突き落としたのが彼であることを説明する。

ソンはプヨン建設の会長の娘と絡んできた彼女の彼氏を一緒に屋上に連れていき反省文を書かせて殺してしまう。

タンはビンに連絡しソンがどんな人だったかを尋ねる。

ビンは昔にソンと手を組んで世直しをしようとしていたが、彼の正体があまりに凶悪だったことを語り、「俺の判断が間違ってた、ケリをつけるのも俺の役目だ」とタンに告げるのだった

大勢のプヨン建設の手下たちがソン・チョンを狙うが、ソンは次々と手下たちを殺していく。

ナンガムはヨンジェに刑事になった理由を聞かれ、警察官だった入院中の父ことを話す。

無愛想で叱ってばかりで家族を顧みず厳しかった父、そんな父にバカにされたくなくて刑事なったことをナンガムはヨンジェに語る。

盲導犬を動物病院に預けに来たナンガム。係員は安楽死が取り消しになったら里親を募集することを告げる。

ソンはプヨン建設のヒョン会長を捕らえ、刑事たちはソンを追っていた。ソンは悪行を重ねてきたヒョン会長に反省を促す。

そこにナンガムたちが突入してソンに銃を向ける。窮地に陥ったソンはヒョン会長の首に栓抜きを刺してナンガムたちに近づかないように脅す。

ナンガムは「交渉の余地はない」と銃を向けたままでいると、ソンはナンガムが先輩刑事だったチャン・ガプスの息子であることに気がついて笑い出す。

ナンガムが撃てないことがわかったソンは栓抜きを抜いてヒョン会長に止めを刺し、そのまま警官たちに囲まれて逮捕される。

護送中のソンは警官たちを騙し、車から逃走する。遠くに逃げようとしていたタンとビンはニュースでソンが逃げたことを知り、自分たちも容疑者として指名手配されているのを見て混乱する。

ビンは暖かい国へとタンと一緒に逃げるため新たに作戦を考える。

ビンが一緒に来ないことを知ったタンは、船に乗らなかった。

ナンガムはソンの仕業で亡くなった父の姿を呆然と見つめる。車に戻ったナンガムはビンと一緒にソンの元へと向かう。タンはバイクに乗り、車に乗り換えてビンの元へと急行する。

ソンの居る廃工場にやってきたビンとナンガム。ナンガムはソンに殺しに来たことを伝える。そこに遅れてタンもやってきた。

ソンはタンに突然銃撃し、ナンガムは銃で応戦する。隙を見てタンとビンはソンを取り押さえようとすると3人はもみあいになり、ナンガムはソンに狙いを定めて銃を撃つ。

弾が命中して倒れ込むソン。ソンに撃たれていたビンは息絶えてしまう。

ソンは苦しみながらナンガムの母が夫ガプスの後輩の刑事と浮気をしていたことや、ガプスが朝鮮族を利用して麻薬を横流ししていた汚職刑事だったことを語り始める。

ソンはガプスを麻薬のことで問い詰めると暴行を受け、殺人犯の息子という理由だけで自分の昇進の邪魔もしていたことを知って我慢できずに警棒で何度も殴りつけるのだった。

語り終わったソンは復讐しようとしているナンガムを笑いながら挑発し、隙を見つけてタンにナイフを突き刺そうとした瞬間ナンガムに何度も銃撃されてソンは息絶えるのだった。

6話あたりまではかなり面白かったです。

色々伏線がありそうな雰囲気だったんですが、ナンガムの父親以外は何もなかったのが残念でしたね。

結局サイコパスのソン・チョンを刑事のナンガムが追いかけるシンプルなサイコスリラーになり、タンの影が薄くなってしまい物足りなさを感じてしまいました。

序盤にはあったブラックユーモアもほとんどなくなってしまいましたね。かなり引っ張っていた盲導犬の扱いも微妙な感じでした。

もう少し善と悪の間で揺れ動くタンの姿をハラハラしながらもう少し楽しみたかったです。

緻密だと言われるビンも普通に世直ししたいだけであまり裏がなかったのでその辺も物足りない気がしました。

序盤の着地点がわからない偶然の連続に追い込まれながらも様々な事件が起きて新展開を見せてくれたストーリーがとても魅力的だったのでやはりタンをもう少しクローズアップして欲しかったですね。

最後はナンガムはタンを見逃し盲導犬とお散歩、そしてフィリピンに移住していたタンが韓国に戻って再び殺人を？…と匂わせて終わっていきます。

少し続編を意識したようなあまりスッキリしない終わり方にも物足りなさが残ります。

文句ばかり言ってしまいましたが、中盤あたりまでは本年度最高のサスペンス作品になり得そうなほどに魅力があったので終盤にギャップを感じてしまいました。

それでも韓国ドラマサスペンスの中ではかなり面白い方だと思いますので、ネタバレ後ですが視聴前の方はぜひ序盤だけでも視聴してみてくださいね。